長野県神城断層地震 (2014年長野県北部地震)

2014年11月22日22時08分発生。
震央:長野県白馬村高戸山付近、
深さ5km、Mj=6.7
糸魚川-静岡構造線活断層系の
「神城断層」で発生したとみられる。
東側の上盤が西側の下盤に
乗り上げる逆断層型の地震。
国土地理院の電子基準点「白馬」の相対位置は
南東に29cm移動、12cm沈下した。

 

長野県の被害(長野県庁まとめ、11月25日段階)

気象庁速報 建物被害 人的被害 震度6弱であった
小谷村、長野市戸隠、
長野市鬼無里、
小川村を中心に
建物被害が発生
けが人も出た。

なお、
最も全壊家屋が
多かった
白馬村の震度は
「5強」であった。
  計測震度(観測点) 全壊 半壊 一部損壊 重傷 軽傷
白馬村 震度5強(北城) 27棟 17棟 58棟 4名 19名
小谷村 震度6弱(中小谷) 4棟 27棟   3名 1名
長野市 震度6弱(戸隠、鬼無里)
震度5強(箱清水、豊野、中条)
  13棟 270棟 2名 10名
小川村 震度6弱(高府)     196棟   1名
飯綱町 震度5弱(牟礼、芋川)     8棟   2名
大町市 震度5弱(八坂)     6棟   2名
中野市 震度5弱(豊津)     4棟    
松本市 震度4(会田、丸の内、寿)     1棟    
岡谷市 震度3(幸町)     1棟    
松川村 震度4(村役場)       1名  
信濃町 震度5強(柏原東裏)         1名
             
長野県計   31棟 57棟 544棟 10名 36名

白馬村の被害など

防災システム研究所合同会社(山村武彦さんのページ)

現地調査による写真が公開されている。

建物被害(白馬村役場)

白馬村全域で被害があったわけではなく、

三日市場?堀之内の二つの集落に被害が集中している。

道路被害(白馬村役場)

地震翌日に村役場から公開された地図資料。

村役場の被害状況の把握が迅速であった。

白馬の奇跡

地震の揺れが大きかった白馬村堀之内では、33棟の建物が全壊しました。
また、三日市場でも6棟が全壊しています。
高齢者が多い集落で、就寝時の地震発生でした。
人的被害が心配されましたが、死者はゼロでした。

東京消防庁や富山県消防のレスキュー隊が現地に到着した時、
すべての人が救出され、安否確認も済んでいました。

この救出活動は、ほとんどが地元の人により行われました。

例えば、倉庫で使用していたフォークリフトを利用して
倒壊した家屋の梁の下から持ち上げ、閉じこめられた人を救出するなど、
レスキュー顔負けの救出作業が行われていました。

災害時支え合いマップ

長野県では住民参加型のハザードマップが作成が進んでいます。
「災害時支えあいマップ」は、役場(役所)の支援の下で住民が相談して作成されます。
どの家にお年寄り(避難弱者)が住んでいるか、災害時に誰が誰を助けるかまで地図化されています。

Aさんが被災した場合には、BさんとCさんが助けに向かい、状況によりDさんも救助に向かうなど、
あらかじめ決めておくのです。
長野県北部地震の際は、この「災害時支えあいマップ」が機能しました。

災害時支え合いマップ (長野県が進める地域防災)

さて、皆さんが地震で被災した場合、誰かが助けてくれますか?
また皆さんは、近所の人を助けに行きますか?
大地震では、あちこちで建物が倒壊して、消防レスキューだけでは、全員の救助は不可能です。
横浜の市街地と長野県北部の集落では、どちらが災害に強いと言えますか?