2016年台風10号”岩手豪雨”(8月30日)

迷走台風10号が直撃した岩手県岩泉町では甚大な被害が発生しました。

岩手県岩泉町乙茂(おとも)地区の俯瞰地形図です。ベースマップは地理院地図3Dで作画しました。幅300m程度の谷底平野全体が濁流にのまれました。
図中にマウスを持っていくと、空中写真から判読した推定被害地域が茶色で重なります。アルファベットをクリックすると、別窓で被害写真が開きます。
      

国土地理院動画(岩手県岩泉町乙茂地区?高齢者福祉施設?9月1日撮影)

東北地方整備局動画(岩手県岩泉町乙茂地区?高齢者福祉施設?9月1日撮影)

(被災前の空撮)ふれあいランド岩泉

氾濫した川は「小本川(おもとがわ)」、岩泉町は「龍泉洞」で知られるところです。

台風10号の経路

台風経路(グーグルアース表示?デジタル台風による)

台風10号は通常の台風にはみられない、異例のコースとなりました。台風の大雨の場合、経路によって大雨になりやすい地域が変わってきます。東北の太平洋側は、南東側からの台風の直撃を受けたことは、これまでありませんでした。つまり、これまで想定されなかった地域で大雨になる危険性のある危ないコースだったわけです。(地図背景:地理院地図、台風位置:気象庁速報)

台風10号の雲画像と天気図(2016年8月30日18時)

*画像の上にマウスを持っていくと天気図が重なります。

台風10号が岩手県大船渡市に上陸した直後の気象衛星の赤外画像です。温度の低い上層の区が白く表現されます。岩手県付近が特に白くなっていることから、下層では活発な積乱雲が次々と発生していることがうかがえます。天気図で、台風の中心よりも北側に白い雲が丸く広がっている様子がわかります。
天気図で日本海西部にある低気圧は、上空の寒冷渦の直下にあると思われます。日本付近の場の流れは、寒冷渦を中心に反時計まわりに回転しています。その寒冷渦の流れに、台風が取り込まれていくような動きをしました。(画像:気象庁)

 

気象レーダー動画(2016年8月29日9時~30日9時)

山地の東側では、台風中心の接近前から雨が降っていることがわかる。
岩手県沿岸部では、台風接近時に雨の降り方が強まっている。
(緯線経線間隔は北緯41度で調整。画像は登内道彦氏提供)

 

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