岩手県内の人的被害
この資料の作成した9月8日段階で、岩手県内で19人の死者が出ています。身元が判明した18人について年齢を調べてみると、犠牲者が高齢者に集中していることがわかります。近年の自然災害で、高齢者に人的被害が集中した土砂災害?水害としては、2004年7月13日の新潟県三条?中之島水害、2009年7月21日の山口県防府豪雨、2010年10月20日の鹿児島県奄美豪雨などがあります。避難弱者の人的被害をなくすための防災対策が重要であることがわかります。 |
市町村が発表する避難情報 |
自力で歩けない(階段が登れない)などの避難弱者は、早い段階からの避難が必要です。高齢者が犠牲となる災害の多発を受けて、2017年より「避難準備情報」に「高齢者等避難開始」という表現が加えられ、2021年には「高齢者等避難」という表現となりました。。 |
(変更前) | (2017年1月変更) | (2021年5月変更) |
避難準備情報 | 避難準備? 高齢者等避難開始 |
高齢者等避難 |
避難勧告 | 避難勧告 | 避難指示 |
避難指示 | 避難指示(緊急) | |
(災害発生) | (災害発生) | 緊急安全確保 |
災害対策基本法 (第60条)災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することができる。 |
岩泉町乙茂地区の地形概観
*画面にマウスをもっていくと昔の地形図が重なります。
カシミール3Dで作図したものをペイントソフトで合成しました。地形図は地理院地図より、彩色は基盤地図情報を使用しています。小本川谷底(35m以下)が緑色になるように色を調整しています。 周囲の地形を観察すると70~90m位の高さに緩やかな傾斜面があり、おそらく遠い昔の小本川の河床、つまりは河岸段丘とみられます(道の駅の左側の地名注記「乙茂」の部分など)。地名注記「和乙茂」を含むΩ型の部分は、かつて小本川が北に曲流していたことがうかがわれます。 マウスを図中にもっていくと、30年前の地形図になります。当時は道路沿いに住居がまばらにあるものの、川沿いの低地は河畔林とみられる広葉樹や耕作地、荒れ地となっています。これら川沿い低地が造成され、道の駅や高齢者施設、レジャー施設が作られたようです。川の流路や道路の位置が少し変わっています。 旧版地図:今昔マップより:5万分1地形図「岩泉」「田老」(昭和59年修正) |
岩泉町乙茂地区の地形概観
*画面にマウスをもっていくと空中写真が重なります。
同じ地域の地形図と空中写真を示します。この地域は、東日本大震災の後、集中的に撮影されています。岩泉町の津波被害は、小本港周辺で130棟が全壊し、死者は9人でした。上記の地図の乙茂付近では、津波の被害はなかったようです。空中写真を見ると、小本川には河畔林の緑が目立ちます。 空中写真:地理院地図よる正射画像(2011年3月撮影)地理院地図より |