口永良部島の噴火
2019年1月17日9時19分頃、口永良部島(おそらく新岳)が噴火しました。
(気象庁速報資料)
9時25分~35分頃、気象レーダーが噴煙をとらえました。(気象庁高解像度降水ナウキャストより) 丸い島が世界遺産で知られる屋久島で、その西北西にある小さな島が口永良部島(くちのえらぶじま)です。 縦長の島が鉄砲伝来の種子島で、西にある小さな島が馬毛島(まげじま)です。 気象レーダーは、種子島の中種子町と西之表市の境界付近にあります。 レーダーサイトと口永良部島新岳の距離は76.35kmです。(地理院地図) レーダーの観測仰角を1度と仮定しますと、高度1333m付近の噴煙?火山灰を見ていることになります。 (地球が丸いことは無視しているので、実際にはもう少し高い) 単発の噴火だったようで、9時40分にはみられなくなりました。 (屋久島の島影で見えなくなっている可能性もあります。) 2015年5月29日噴火の際と比較すると、レーダーエコーの範囲はせまいようです。(月刊誌「地図中心」より) |
気象衛星の可視画像でも黒い噴煙が見えています。(ひまわり8号リアルタイムWEBより) 9時30分頃より、黒い雲が見えはじめ、南北に引き伸ばされながら種子島の方向に 移動していく様子がわかります。 九州の南海上は雲に覆われていて、その雲頂高度は約5000mとみられます。 黒い噴煙は雲を突き破って、5000m以上に達し、上空の風に流されていく様子がわかります。 |
気象レーダーと気象衛星可視画像を重ねたもの(17日9時30分) 画像をよく見ると、レーダーと雲画像とで雲煙の移動方向が違います。 おそらく、見ている高さが違うからだと思われます。 下層(1500m位か?、気象レーダー)では、西北西風に流されている様子です。 中上層(5000m以上、雲画像)では、西南西風に流されている様子です。 風向きが下層から上層に向かって、反時計回りに変化しているので、 寒気移流の場であることが想定されます。 なお、屋久島西岸と種子島の降灰を考えると、屋久島の方が粒子が大きいのではと推察されます。 |