地理院地図3D作品集(2022年) 

『鹿児島から眺める霧島連山』(cocopi)
これは地理院地図3Dを利用して作成した、鹿児島県と宮崎県との県境にある霧島連山の鳥瞰図である。現在平坦な埼玉県に住んでおり、このような活火山が連なった景色はなかなか見られないので、私の出身である鹿児島県(南西方向)から見た霧島連山を選んだ。3Dモデルの大きさは南北33.08㎞、東西33.24㎞、高さ方向の倍率は2.2倍である。また、色別標高図と陰影起伏図を重ねている。標高1500m以上を赤で表したので、霧島連山の中で最高峰の韓国岳や高千穂では山頂付近が赤く、他の山々と比べて標高が高いことが分かる。霧島連山には大きなカルデラがいくつも見られ、大小様々な火山から成ることが分かる。山麓では深い谷が刻まれている場所が多い。これは火山灰などが雨水を含んで泥流となって流れ、侵食されたからであると考える。有史以前に火山活動を開始した韓国岳や高千穂は山肌がゴツゴツしている一方で、近年、噴火が確認されている新燃岳の山肌はツルツルとしていて滑らかである。また、山体の大きさに対して火口の大きい火山体が多く見られる。
『磐梯山』(グリーン)

東側にあるのが磐梯山で西側にあるのが雄国沼です。高さの倍率は1.5倍です。磐梯山は成層火山で、安山岩質マグマによる火山です。山体崩壊を起こし崩壊壁ができている部分を表しました。


『陰で夏に苦しむ人が出る場所』(花粉症)

ここは長野県上水内郡信濃町にある野尻湖(別名:信濃尻湖、芙蓉湖)と呼ばれる場所です。標高654mの高原に位置し、最大水深は39.1m、面積は4,45km?、湖の周囲は約16kmある。湖の周辺は約750~900mの山に囲まれており周辺の起伏は激しい。近くにコンビニなどは少なく不便なように感じる場所だが、外国人には避暑地として人気がある場所となっている。だが、それと同時に夏休みには複数の大学駅伝部の合宿場所としても利用されいる。先ほども述べたが、標高の高さや避暑地としての面や周辺の起伏の激しい道は長距離選手を鍛えるのには打ってつけな場所となっている。一般人の避暑地として楽しそうに利用されている反面、夏休みを利用して息を切らし体を酷使し必死に練習をしている数多くの大学生がいることはあまり知られていない。
テーマパークの地形学ー東京ディズニーリゾートを事例にー」(カミディー)

地理院地図の「色別標高図」機能を用いて、東京ディズニーリゾートの起伏を表現してみると、見事に地形?の起伏が表現された。人工物の集合体であるテーマパークの起伏が表現されることは例外中の例外である。周辺を見てもらうとわかる通り、ビルやマンションなどの高層建築物や住宅そのものは地形の起伏として反映されていない。それはあくまでもそれらが立地している地形の標高が反映されているに過ぎない。それにもかかわらず、東京ディズニーリゾート内の人工物は見事に地形の起伏として描かれている。ちなみに東京ディズニーシーにあるプロメテウス火山や東京ディズニーランドのビッグサンダーマウンテン、スプラッシュマウンテンは標高?が高いことがわかる。さらに東京ディズニーランドの背後にある東京ディズニーランドホテルも標高が高いことがわかるが、これは盛り土の影響と考えられる。またそれに次いで、蒸気船マークトウェイン号の航行コースも高いことが読み取れる。
『秦野盆地の地形』(こもりー)
 
これは、秦野盆地を南南東の方角から見た鳥瞰図である。市街地は盆地の中央部にある。盆地への出入り口ともいえる主な場所は一番標高が低い南東部と、川音川が流れる南西部の2か所あり、小田急線や国道はこの2か所から盆地内に入っている。また、盆地内の標高の差が大きく、南東部が70m前後であるのに対し、北西部一体は200mを超える。
『阿蘇山火口』(lemon)

地図を3D化することで起伏のみならず、谷などの細かい地形も観察できると思い火山地形を選んだ。背景には赤色立体地図を使用した。画像の右側にある高岳の最高地点は1592mであり、山体崩壊をした痕跡が見られる。溶岩流による細かく複雑な谷が刻まれている様子も確認できる。阿蘇山火口の深さも強調されている。高さの倍率は1.7として作成した。

『本土から見た佐渡島』(MH)

低地から高地になるにつれて、寒色から暖色になるように作成した。佐渡島は、中央部に平野、島の両端を山が取り巻く地形をしている。これは、佐渡島を南の方角から見た図であるが、島の北側にある山の方が南の山よりも高いことが分かる。
『富山湾海上から望む黒部川扇状地』(rams family)

黒部川扇状地は典型的な扇状地としては日本で一番規模である。背後には急峻な立山連峰が構えている。3000mの山から黒部峡谷を一気に麓へ流れる。急傾斜であるので、流れる勢いがあることによって浸食作用が活発であることによって、多くの土砂が運搬?堆積され、トップクラスの規模の扇状が形成されたのではないかと思われる。扇頂から手前から伸びている線は富山地方鉄道線であり、扇頂から扇端を縦断するように線路が敷かれている。(一部、 富山県HPより引用)
『1000km2で唯一の山』(れんたろー)

私はまだ、2学年で調査法や演習等で地理的な特色が濃い場所に行ったことがないので。とりあえず地理院地図を眺めていたら、関東平野に唯一大きな起伏を持つ筑波山を見つけ、筑波山の事は以前より知っていたので鳥瞰したいと思い、図にしてみました。見た限りでは関東平野で唯一の標高の高い山でした。この鳥瞰図はカメラの位置(北東)から反対南西方向まで130キロメートルもあるのですが、この広大な地域でこれだけしか起伏が存在しないのは、美しいとすら感じてしまします。筑波山の標高は877mと山としては高くないように思えます、私も以前までは気にも留めていなかった山でしたが、このようにしてみるととても面白い山でなにか秘めていそうな気さえすると感じました。また全国地図で見てみても、これだけの広さの中で同等以上の山が一つもない場所は日本国内ではありませんでした。
『箱根山』(satoo)

観光地として人気のある神奈川県箱根町の立体図を作成した。図は標高200m未満の箱根町の中では標高の低い箱根湯本から西側を眺めたようになっている。箱根湯本の西側は標高が高くなり、強羅駅の標高は541m(箱根湯本より445m高い)、観光地として人気のある大涌谷は標高1044mとなっている。さらに、駒ケ岳は標高1356m、箱根山で最も高い神山は標高1438mとなっている。このように、同じ箱根町でも地域によって標高が大きく異なる。
『春が訪れる苗場山』(スバリス)

苗場山はウィンタースポーツをする人たちにとって、知らない人はいない苗場スキー場がある山になります。私も小学校時代毎年、春休みに苗場山にスキーをしていて、思い出の山だったりします。来シーズンにもう一度滑りたいスキー場です。三国トンネルがあまりにも狭いのが特徴なので、車で通るともうすぐ着くぞとワクワクしていました。今年の春に新三国トンネルが開通したことで県境トンネルとしての役割が終わってしまったのが残念です。この図は、群馬県と新潟県の県境にある三国トンネルの群馬県方から、新潟県側を向いた図(新三国トンネルから新潟方を向いたもの)になります。西側には苗場スキー場があるのがわかります。北西側にはドラゴンドラがあり、苗場スキー場とかぐらスキー場を行き来できます。如何に長いゴンドラなのか分かるでしょうか。春が訪れる苗場山ということで、この地点で最も低い標高400mを基準として、そこから標高200mごとに色分けを行い、最も高い標高が2000mとなっています。標高が低い場所を緑色とし、徐々に薄くなり、一番上が白になっています。これは、新緑が徐々になくなり、山頂部が雪で覆われているのをイメージしています。春が少しずつ訪れているのをイメージしています。
『中央構造線が織りなす愛媛県北東部の地形』(タンヤオ)

1年次の環境地理学実習で調査した場所である。愛媛県北東部の四国中央市と新居浜市の鳥観図を作成した。ここは中央構造線の影響で平地と山地が直線状にくっきり分かれた場所となっている。平野部は河川が多く流れており、かつては海中にあったと推測される。山地と平地の区別をわかりやすくするために陰影起伏図を用い、高さ方向の倍率を2倍とした。
『四万十川の穿入蛇行』(td)

四万十町大正の鳥瞰図です。写真正面最も奥の山並みの手前が大正集落です。四万十川は、穿入蛇行が顕著で、どこを切り取ってみても面白かったです。なので、最終的な一枚を選ぶのに非常に迷いました。大正集落は旧流路なのではないだろうかと推測しています。
『桜島のカルデラ』(tn)

カルデラと言えば阿蘇山を連想するかもしれないが、桜島にある南岳の姶良カルデラもその窪みが特徴的で面白かった。火口にはマグマ温泉があり、そこだけ異様に深く沈みこんでいることが伺える。また、火口が3つ並んでいるのも面白い。高さは1.8倍とした。
『相模野台地とその周辺の地形』(ゆうたん)

説明:画像は北が上向きになっている。中央に位置する相模野台地と西部の丹沢山地、北東部の多摩丘陵が明瞭である。相模野台地と丹沢山地の間には相模川が流れており、河川が形成した低湿地は濃い青色で表現されている。相模野台地は3段で構成されており、最も広大な北部の相模原面、中央部の橙色から水色で表現される田名原面、南部に水色から青色で表現されている小さな陽原面に分けられる。その間には段丘が存在し、色の変化がはっきりと出ている。また、台地は南東部に向けてやや傾いている。相模川と丹沢山地の間には中津原台地が画像下部に位置し、相模野段丘の相模原面と田名原面の間程度の標高がある。