地理院地図3D作品集(2024年) 


『溶岩グツグツ伊豆高原』
(ちっひー)


小さい頃によく旅行で行っていた伊豆高原周辺を鳥瞰図にした。伊豆半島は、約2000万年は海底火山だったが、100?200万年前に陸域が出現し、60万年前?20万年前にかけて現在の形になった。大室山というすり鉢状の火山や、大室山の溶岩流によって形成された城ヶ崎海岸といった火山の地形が広がっている。伊豆半島は山が多く平地が少ないが、大室山の周辺(海側)は溶岩流によって比較的平らな土地となっている。伊豆高原周辺はなだらかな斜面であるが、溶岩によって形成されたため、表面が凸凹していると思われる。また、伊豆高原駅?城ヶ崎海岸駅周辺の海岸は崖になっていて、溶岩によってできた岸壁が広がっていることがわかる。地図は、色別標高図と陰影起伏図を使用した。

『一切経山と吾妻小富士の地形』
(まさ)

私が一番好きな地形である福島県の浄土平上空から見た一切経山と吾妻小富士の地形がわかる図を作成した。左の1948mの山が一切経山で右の窪んだ1707mの山が吾妻小富士である。高さは標高差もあったため、1.5倍で示した。


『もしも、鎌倉攻めをするなら』
(いっしー)


鎌倉を攻め落とそうするならどのように攻めるかを鳥観図をもとに考えるというテーマで作図してみた。
より迫力を出すために高さ協調を1.5倍にしてみた。鎌倉は主要な施設が山に囲われているため陸路から攻めることは難しい。かといって海側から攻めるもの平坦な土地があるため上陸時に迎撃され
るかもしれないから、鎌倉を迫るのは簡単ではないとわかる。
『洞爺湖南東より望む蝦夷富士』
(じん)


高さ強調1.5倍。羊蹄山の美しい円形を、洞爺湖とともに移したら映えるのではないかと思い作成した。蝦夷富士という別名から富士の雪冠をイメージし、頂点は白を基調とした。北海道における広大な自然と、その美しさを大いに味わうことのできる場所なのではないだろうか。


『草津白根山の火山地形』
(かさはら)


上は西方向、南北7.82km東西7.86kmを作画して切り出し、高さ強調は1.5倍
家族旅行でよく訪れていた草津温泉街とその西側にある草津白根山を、地理院地図において標準地図+陰影起伏図+火山地形分類データ(草津白根山)を3D化して作成した。山体は、主に南北2つの火山で構成されており、北側(画像右)の湯釜と南側(画像左)の本白根山からなる。このうち本白根山は、2018年1月23日に、画像中央の鏡池火砕丘?鏡池北火砕丘から水蒸気噴火を起こしたことで記憶に新しい。南北両火山とも斜面に明瞭な溶岩流地形がみられ、特に本白根山の溶岩流はその先端が草津温泉街にまで到達していることが見て取れる。現在でも湯釜周辺において火山活動が続いており、活動状況によっては付近の国道292号線が通行止めになることもある。活発な草津白根山の活動は、現在も草津白根山の周辺地域に影響を与え続けている。
『さいたま市が誇る田んぼ』
(けんちゃむ)


さいたま市が誇る見沼田んぼである。標高図で見ると台地の上であるためさほど標高が変わらないことがわかるが、田んぼの場所は標高が低いことがわかる。これは、やはり川などもあり水が得ることができるからであるとわかる。
『渋谷と暗渠化された渋谷川』
(KNR)


渋谷が渋「谷」たる所以を、渋谷区ハザードマップを参考に渋谷川周辺の洪水被害が想定される「谷?川」エリア(海抜~20m)を水色で、「山」エリア(海抜21~m)を緑色で表した。
渋谷駅以北、渋谷一丁目から神宮前方面へ延びる渋谷川は暗渠化され道路になっているため表面上は危険がないように感じられるが、標高にも表れている通り周囲より低く、降雨も垂直に集中するため大変危険である。

渋谷川の真上に建つ高校の出身で、地理の授業内で渋谷川巡検をしたことがあるため、この地点を選出した。
大雨の際は地下階に保管している備品が湿気や漏水でだめになった記憶がある。
『浅間山の火山地形』
(らーく)


この図は地理院地図の火山基本データ(写真地図)を用いて作成したものである。正面に見える山が本峰の釜山と第二外輪山である前掛山であり、その右にある山が第一外輪山の黒斑山である。釜山と前掛山から直線的で手前側に見えるほかの場所よりも少し高くなっている箇所が、鬼押し出し溶岩である。3Dで表示することによって、過去の噴火でどの場所を溶岩が流れたのかということが一目でわかるようになっているため、ハザードマップなどに活用することで、今以上に分かりやすくなるのではないかと考える。
筑波山の角度』
(みぃ)


これは筑波山を石岡市から見た角度である地理院地図の陰影起伏図に自分で作る色別標高図を加え高さ4倍にしたものである。
筑波山は、標高877mだ。日本百名山の一つでもある。この地図から、筑波山の周りにも小さい山々が連なっていることがわかる。その山々を除いた筑波山周辺は、50~10mの標高しかないことがわかる。場所によっては、水田を多く見ることができる。私の家からは、筑波山が?字型の状態で見える。筑波山は、見る角度によって見方が違うため面白い。
『土讃線から望む讃岐富士』
(にー)



香川県丸亀市にある飯野山とその周辺で鳥瞰図を作成した。その独特な形から讃岐富士という愛称もついており、香川県内でも有名な山である。帰省の際に近くを通る土讃線をよく利用しており、毎度四国山地を抜けて讃岐平野に出たときに見える飯野山が印象的だったため、この図を作成するに至った。山体部は色別標高図で100mごとに色を変え、円錐形の山を強調した。また、山全体が緑色であるため、緑のグラデーションとした。手前から奥にかけて土讃線の線路があることがわかり、個人的になじみの景色に近づけられた。
『称名滝の侵食』
(SH)


富山県にある、落差日本一の称名滝が作り出した地形を作画した。
称名滝は、長い年月をかけて岩石を削りながら現在の場所まで後退し、このような特徴的な地形を形成した。画像奥には立山連峰や室堂がある。地理院地図の陰影起伏図や自分で作る色別標高図を利用して、地形の高低差を意識した。
広島県阿武山を南麓から』
(たちばな)



画面右上方向が北,高さは等倍.
6月9日から12日にかけて,田中先生の調査法で訪れる広島の阿武山を,陰影起伏図と赤色立体地図をそれぞれ嗚透過率50%ほどで重ね合わせたもの.さらに,調査法で歩く予定である道を青の実践で作図し,実際にドローンを飛ばして測量を行うかもしれない範囲を薄い黄色で示した.この地区は,2018年7月の豪雨で土砂洪水災害が発生した地区である.山陽側は瀬戸内気候で雨が少ないと思われがちだが,梅雨が始まると梅雨前線などにより大雨がもたらされる.また,広島は平地が少なく,山と住宅地が肉薄しておりたびたび土砂災害が発生しニュース等で報じられている.そのため水害と土砂災害の2つに気を付けなくてはならない地域である。

※この作品は、地理院地図の背景として「赤色立体地図」を重ねて利用しています。「赤色立体地図」はアジア航測株式会社が独自に開発したもの(特許第4272146号、特許第3670274号 )です。左画像について複製利用はできません。教育?研究的でのオンライン利用許諾申請は行っています(2024年5月30日)。

『湖畔からの摩周湖』
(田沢)

北海道にある摩周湖は国立公園の特別保護区に指定されているため、湖畔に近づくことができない。そこで地理院地図の3Dモデルを使って湖畔からの景色を再現した。この湖畔の場所は、摩周湖第一展望台の真下である。
3Dモデルは湖沼図、20万分の1日本シームレス地質図V2、陰影起伏図、高さ方向の倍率2.0倍で設定をした。
正面にはカムイシュ島、カムイヌプリとその火口が見られる。普段湖面に降りることができないので、なかなか見られない光景だと感じた。
『日本一有名?!な扇状地』
(T.T.)


中央にあるのは、甲府盆地の東側、甲州市と笛吹市の境にある京戸川扇状地である。
この扇状地写真が、地理の教科書や参考書で扇状地の代表例として全貌が載せられることが多く、見覚えがある人も多いのではないだろうか。
この図は、地理院地図を用いて、航空写真を背景に、自分で作る色別標高図や、傾斜量図、陰影起伏図を合わせたものである。その図を3D化後、高さ倍率を1.5倍に設定したことで、扇状地周辺でみられる標高の変化を自然な範囲で強調した。