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DATE:2018.11.06研究レポート
在外研究コラム『アメリカの"借金時計"』
経済学部 小西 宏美 准教授
2017年4月から1年間、アメリカ?ニュージャージー州にあるSaint Peter's Universityに滞在していました。大学はジャージー?シティという町にあり、ニューヨーク?マンハッタンまで鉄道で20分程度という便利な場所にあります。大学では若い学生たちとともに授業を受けたり、自分の研究テーマについて報告する機会をいただいたり、と大変有意義な時間を過ごすことができました。アメリカの大学らしく教員も職員もお互いファーストネームでよび、アットホームな雰囲気の中で研究することができたのは大変幸運でした。
バス1本で行ける気軽さもあり、ニューヨークへ出かけることも度々でした。マンハッタンのタイムズ?スクエアの近くには、いわゆる「借金時計」とよばれるNational Debt Clockがあります。アメリカが財政赤字を膨らませた1980年代末に国債発行が増加することを憂いた投資家が設置したもので、今現在の国家債務残高がどれくらいあるのかを電光掲示板で表示しています。毎秒、急激な勢いで増加していく数字をみるととても怖くなりますが、設置した投資家はまさに人々にそのような形で警告を発したのです。さらに南に下ったウォール街のアメリカ金融博物館にも同じ借金時計があります。そこには、借金残高の表示とともに以下の言葉が記されています。
「国家債務は、それが過度なものでない限り、我々に恵みをもたらすであろう」
アメリカ合衆国初代財務長官 アレクサンダー?ハミルトン
※ 本コラムは『学園通信334号』(2018年10月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。
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