発心から無我へ―欲を捨てる
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Date:2014.04.29
Date:2014.04.29
5月になります。法科大学院も駒沢キャンパスも、徐々に落ち着きを取り戻しています。
司法試験が近くなっている受験生をも含めて、学生修了生に、一言エールを送ります。
積極的に学修するために「集中」と「継続」を説く人は多い。
しかし、人間は多くの「欲」をもつから、集中と継続は困難を極める。
そこで、今日は「欲を捨てる」方法について考えてみたい。
第一に、自分の目的への発心ないし決意が原点であることを常に自己確認する。
第二に、名誉も、金も、地位も、権力も、友人も、恋人も、肉親さえも、
今は、視界から消し去ることにして、わが発心に徹することである。
第三に、目標とする人を徹頭徹尾まねることである。毎日、毎日、粛々と実践し続けることが素晴らしい。
道元禅師の説く「只管打坐(しかんたざ)」(ただひたすら坐禅をすること)と同じく、ただひたすら勉強だけを行う。才知や能力の限界にこだわることなく、ただ、勉強することである。そして、この道を歩もうとする発心を、決心として保持する。
その決心は、ひたすら行うことによって、最強の無我?没我の域へと自分を導いてくれる。
学問を理解した後も、学問の勉強を継続すること、これを行うことにより、真の集中すなわち無我没我の清浄世界を実現したことになる。(H)